第501章 騙す

賀川哲也が5倍の価格で広告枠を買い取ると聞き、雲田茜は内心でほくそ笑んだ。

現在の彼女の資産からすれば、手付金の5倍という額は決して多くはなく、会社にとってもさほどの足しにはならない。だが、口座の残高が増えるのを嫌がる者などいるだろうか。

もちろん、提案に同意したとはいえ、それを顔に出すわけにはいかない。

「でも、先に声をかけてくださったのは片桐佐希さんですからね。こうしましょう。彼女に電話して意見を聞いてみます。もしあなたの叔父様も5倍を出すとおっしゃるなら、そちらを優先するかもしれません」

茜はわざと困ったような表情を作り、スマートフォンを取り出して片桐佐希に電話をかけた。

哲...

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