第71章 バーベキュー

雲田茜は布団を抱きしめ、部屋の隅で小さくなっていた。顔は滴り落ちる血のように赤く染まっている。つい先ほど、あと一歩というところまでいったのだ。彼女の身体が、完全に賀川時のものになる寸前まで。

ベッドの縁に腰を下ろした賀川時は、くわえ煙草でじっとしていた。火は点けていない。雲田茜が煙草の臭いをあまり好まないからだ。

賀川時はひどく鬱屈としていた。視線を落とし、己の股間を見る。そこにはテントのように盛り上がった膨らみがあった。彼は大きく息を吸い込み、体内で暴れ回る欲情を必死に抑え込む。やがて、そのテントはゆっくりと平らになっていった。

その時、雲田茜のスマートフォンが鳴り響いた。

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