第92章 彼らは私の家族だ

 老ディックの言葉に、雲田茜は少し呆気にとられた。あの二匹のカンガルーは自分よりも足が速い。森から送り出してくれた後、彼らがどこへ行ってしまったのか、皆目見当もつかなかったからだ。

「わたしもよく分からないんです。森の外まで送ってくれた後、姿を消してしまって。走るのが速すぎて、追いつけませんでした」

 そう言いかけた瞬間、視界の端にぴょんぴょんと跳ねる二つの影が映った。

 雲田茜の表情がぱっと輝く。彼女はその方向を指差し、手を振りながら叫んだ。

「あそこです! コンボイ! メガトロン!」

 筋骨隆々とした二匹のたくましいカンガルーが、こちらに向かって跳ねてくる。

 老ディックは感...

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