第112章 美しい景色

「私が皆さんを騙せると思いますか? 昨夜、彼は個室で全裸になって私を誘惑しただけでなく、私の酒に薬まで入れたんですよ。もう少しでやられるところでした」

「だから、私は相沢弁護士と提携することを選んでも、あんな下品な女とは組みません。いっそ売春婦にでもなればいいのに!」

髙橋会長は、昨夜自分に対して気取った態度を取った彼女の名声を、徹底的に潰してやろうと思っていた。

「……」吉井和彦は先ほどまで大きな案件が決まったと喜んでいたが、この男を見て途端に好感が持てなくなった。浜野南がそんなことをするはずがない。

相沢直希はその脂ぎった中年男を見ると、笑みを浮かべながらポケットからまだ録音を開...

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