第309章 ますます子供たちが好きになる

相沢宏樹は以前、よく妻がピアノを弾くのを聴いていたから、今の演奏とは雲泥の差だと感じていた。こんな腕前なら、むしろ披露しない方がましだ。

「佑奈ちゃん、本当にお上手ね。滑らかで聴き心地がいいわ。音楽が好きな人に悪い人はいないって言うものね?」

 おばあさんは色眼鏡をかけて彼らに言った。

 相沢家の男三人は彼女に視線を送ったが、誰も本当のことを言って彼女を傷つける勇気はなかった……。

「僕たちもピアノを少しだけ習ったことがあるから、ほんのちょっとだけ分かるんです。佐藤さんの弾いた曲は『エリーゼのために』ですよね。テンポが速すぎるし、感情が全くない。もし僕たちのピアノの先生が評価したら、...

ログインして続きを読む