第311章 彼女を陥れる

山田美佳はただひたすら痛みと苦しさを感じていた。額は汗でびっしょりになり、顔色は真っ青だ。彼女は下唇をきつく噛みしめ、彼に応えた。

「……気持ち、いいです」

 彼の手が彼女の胸元を強く揉みしだき、ふいに愛憎の入り混じった掠れた声で、ある名前を呼んだ。

「浜野南……浜野南……浜野南……」

 その呼び声を聞いた山田美佳は、激しい怒りに襲われ、両手をさらに固く握りしめた。しかし、反論する勇気も、彼の幻想を打ち破る勇気もない。たとえあの女の身代わりだとしても、彼の女でありたかった。

「はい、私が浜野南です」

 彼女はわずかに首を巡らせ、彼の耳元で優しく囁きかける。

 谷本賢太は目を閉じ...

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