第350章 彼女たちは皆、宴会に行った

「……」祖母は彼をちらりと見たきり、ぷいと黙り込んだ。

「お母さん、これは私たちが特別に誂えたの。お誕生日おめでとう」相沢道子がすぐにショルダーバッグから、精巧な黒い箱を取り出し、両手で差し出す。

祖母は骨董や、値の張る宝飾品、珍奇な品々を集めるのが大好きで、毎年の誕生日には必ず気に入る“お宝”が届いていた。

箱を開けた祖母は、中身が金のバングル一対だと見るや、露骨に不満げな顔をした。脇へ置くと、もう二度と目も向けない。相沢浩史は清廉な公務員で年収も高くなく、住まいだって別荘ではない。

そのうえ――あの嫁も、どうしようもない。食って寝て、働く気もない。

「愛美。あんた、私にプレゼン...

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