第351章 自分への彼の気持ちを信じる

「それならよかった。今夜は酒は飲むな。立ちっぱなしで疲れたら、適当に座って休め」相沢徹也はそう念を押した。やはり彼は、この凛々しくて賢い二人の孫が可愛くて仕方がないのだ。

相沢家の血筋は、総じて優秀だった。

「わかった」彼はうなずく。

相沢直希がグラスを手にした、その瞬間だった。京海市市長と、相沢徹也の古い戦友がそれぞれ娘を連れて近づいてくる。二人は祖父におべっか混じりの挨拶を交わしたかと思うと、まるで婿を見るみたいな目つきで相沢直希と相沢颯馬を値踏みしはじめた――

二人ともオーダーメイドの黒スーツ姿。片や全身から冷ややかで落ち着いた気配を漂わせ、片や身のこなしが優雅で、洒脱そのもの...

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