第374章 もう一度彼をなだめに行った方がいいかな?

谷本は立ち上がり、逃げるようにその場を後にした。浜野南に言葉をかける顔などあるはずもなかった。

「……」

浜野南は遠ざかる彼の背中を見つめながら、ほんの少し罪悪感を覚えた。あんなにコテンパンにするなんて、さすがにやりすぎたかしら?

不意に、スマートフォンのLIMEの通知音が鳴った。画面をちらりと確認し、立ち上がって二列後ろの空席へと移動する。その隣には、相沢直希が座っていた。

彼は、三席分のチケットを押さえていたのだ。

「もう、あんな風に彼をいじめるのはやめて」

浜野南は顔を向けて言った。

相沢直希は不機嫌に眉をひそめ、冷ややかな声を落とした。

「同情でもしたか?あいつがお前...

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