第390章 後先考えずに一度愛してみるべきか?

相沢颯馬はちらりと彼女を一瞥した。その端正な顔立ちに冷ややかな色を浮かべ、あえて声をかけようとはしなかった。どうせ俺が買ったものなど欲しくもないのだろう。なら、勝手に飢えていればいい。

朝の渋滞はひどく、数分走っては十数分立ち往生する有様だ。前方に連なる車列は果てしなく続き、先など全く見えない。

浜野茜は空腹のあまりひどく気分が悪かった。そこに排気ガスの臭いが容赦なく鼻をつき、たまらず再びえずき始めた。

「おぇ……っ……」

慌てて口元を両手で覆い、必死に吐き気を飲み込む。彼の車を汚すのだけは絶対に嫌だった。

彼女の顔から血の気が引き、苦しげにしているのを見て、相沢颯馬は端正な眉をわ...

ログインして続きを読む