第416章 彼は恐れ、目を血走らせた!

田村律は顔を横に向けたまま、眼差しの奥に陰が走った。両手をぎゅっと握りしめる。――自分の頬を叩く度胸のある人間なんて、今まで一度もいなかった。

「この恨み、あたしの好きに返していいってこと?」

杉原美奈が浜野南と相沢直希を見て、確認する。

「命だけは残せ」相沢直希が言い切った。

「うん……」

杉原美奈は小さくうなずき、傍らのボディーガードへ視線を投げる。

「悪いけど、こいつ押さえてて。暴れさせないで」

二人のボディーガードがすぐさま男の両脇に回り、片手で肩をがっちり掴み、もう片手で手首を万力みたいに締め上げた。

――どうやって懲らしめる気なんだ?

殴って終わり、ってわけでも...

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