第15章

ここまで話が進んだ以上、林田美咲がさらに追及するのは少し空気が読めないことだった。

しかし、今日の林田美咲はどうしたことか、彼女は細川明美を困らせることに固執していた。

彼女は浅尾武治の手を振り払い、彼の視線を無視するふりをして、追及した。

「疑ってるわけじゃないわ。でも見たでしょう、武治が家でこんな目に遭ってるの。私だって心配よ。誰かが密告しなかったら、こんなことにはならなかったはずでしょ?明美ちゃん、もう一度考えてみて、うっかり話したりしなかった?」

細川明美は林田美咲のこの犯人を尋問するような態度が気に入らなかった。

それでも彼女は心の中で思い返してみた、自分以外に誰がこのこ...

ログインして続きを読む