第40章

中村信也は一緒に来た佐藤静香をとても紳士的に気遣っていた。二人とも社交的な性格で、少し話しただけですぐに打ち解けた様子だった。

講堂で大声で笑い、周りの視線など気にしていなかった。

細川明美は少し恥ずかしくなり、床の隙間に潜り込みたいと思った瞬間。

中村信也が突然携帯電話を取り出した。

「そういえば明美さん、知り合って結構経つのにまだLINE交換してなかったよね。追加してもいい?」

細川明美はもちろん何の異論もなかった。中村信也は浅尾尚樹の友人だし。

浅尾尚樹は信頼できる人だから、中村信也も悪い人のはずがない。

細川明美の論理はあまりにも単純だった。

友達追加が完了すると、中...

ログインして続きを読む