第7章
玲奈視点
セーフハウスは新川警視庁の何の変哲もない一室で、壁は地図や写真、ファイルで埋め尽くされていた。テーブルには埠頭の倉庫の見取り図が広げられ、その周りには父の組織の構成員たちの写真が並んでいる。部屋にはコーヒーと緊張の匂いが立ち込めていた。
「本気で言っているのか?」浜田大輔が険しい表情で私を見つめる。「武器が明日の夜に到着するのは間違いないんだな?」
「百パーセント確実です」私は頷き、地図を指差した。「この倉庫に。盗聴記録によれば、今回の積荷は『相当な規模の取引』だそうです」
私は晴人の方を見た。彼は私の後ろに立ち、その面持ちは緊張で強張っている。私が父のアパートに...
ログインして続きを読む

チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章

5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章


縮小

拡大