第8章

玲奈視点

どれくらい意識を失っていたのだろう。気がつくと、倉庫は煙と、揺らめく炎で満ちていた。耳鳴りがする中、なんとか立ち上がる。

「晴人?」通信機に向かって呼びかけた。「晴人、そこにいるの?」

応答はない。『くそっ、通信機が壊れてる』

よろめきながら出口へと向かう。現場から避難する警官たちや、手錠をかけられて連行されるヤクザの組員たちとすれ違った。だが、晴人の姿はどこにもなかった。

「浜田刑事!」作戦の指揮を執っている浜田刑事の姿を見つけ、駆け寄った。「晴人はどこに?」

浜田刑事の表情に、私の心臓は嫌な音を立てて沈んだ。「見つからないんだ、玲奈。爆発の後、何人かの...

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