第11章

オフィスを出ると、越前美也は藤宮弘也を恐る恐る見つめた。

「おじさん、今日のこと、パパとママには言わないでね?もし知られたら、ママに殺されちゃうよ、おじさん!」

藤宮弘也は言葉もなく越前美也を見つめ、わずかに頷いた。

「今日のことは、君の両親には言わないよ。だが...」このだがの後の言葉が終わる前に、越前美也は興奮して桜井有菜を引っ張ってきて藤宮弘也に紹介した。

「おじさん、これが私の新しい友達、桜井有菜!彼女すごいんだよ。今日、有菜ちゃんがいなかったら、あの品川香澄にいじめられてたところだった!」

知り合って数時間で、もう有菜ちゃん有菜ちゃんと呼んでいるのか?

桜井有菜は実は断...

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