第118章

成田の意図は、桜井有菜にも痛いほど伝わっていた。

要するに、有菜の態度を伺っているのだ。もし彼女が追及を望まないなら、成田は和解書にサインをするだろう。だが、もし有菜が桜井家の不始末を放置するつもりなら、この損害をただで済ませるつもりはない、と。

「成田さん、法的な手続きに従いましょう。過ちを犯した人間は、罰を受けるべきです。そうでしょう?」

成田は深く頷いた。有菜の毅然とした態度に安堵と期待を覚えたようだ。

それから間もなくして、桜井浩明は病院へと搬送された。もともと怪我を負っていた彼は、拘置所での生活に耐えられないと判断されたのだ。もっとも、病院にいるとはいえ、そこは厳重な監視下...

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