第13章

部屋は三LDKで、リビングがとても広く、インテリアはシンプルだった。藤宮弘也のセンスは悪くないようだ。

少なくとも、この部屋の雰囲気は桜井有菜の好みだった。

ただ、家はずっと空き家状態で、見た目は綺麗だが中身は空っぽで、家具と家電以外の生活用品は何もなかった。

「少し整理したら、生活用品を買いに行こう!」

桜井有菜は断りたかったが、ここは藤宮弘也の家で、彼は親切にしてくれている。断るのは失礼だと思い、反論しなかった。

二人は団地入口のスーパーへ向かった。桜井有菜は生活用品に特にこだわりはなかったが、選ぶ余地もなかった。全て藤宮弘也が商品を手に取っていた。

桜井有菜が見る限り、この...

ログインして続きを読む