第15章

藤宮弘也が商談中に越前美也から電話を受けた時、彼はその電話を秘書に渡して外で対応させた。

電話に出た途端、彼女は「わぁ」と大声で泣き出した。

「おじさん、助けて!有菜ちゃんがもうだめそう!」

秋田風は驚いて、すぐに会議室に戻り、藤宮弘也に携帯を渡した。

藤宮弘也は眉をひそめながら電話を受け取り、越前美也が泣いているのを聞いて尋ねた。

「何があったんだ?」

「おじさん、早く来て!有菜ちゃんが怪我して、もうだめそうなの!」

桜井有菜が学校で怪我?藤宮弘也の表情が一気に冷たくなり、すぐに携帯を持って立ち上がった。

「ここは任せる。私は病院に行ってくる」藤宮弘也はそう言って出て行き、...

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