第166章

「このことはおじさんには内緒よ、分かった?」

越前美也は目を輝かせ、嬉しそうに駆け出していった。

やがて西宮が部屋に入ってきて、桜井有菜の着替えを手伝った。有菜の腕は肩が動かないように三角巾で吊られている。家を出る頃には、藤宮弘也はすでに会社へと向かっていた。渡辺家の会社でトラブルが起きた以上、彼も社長として顔を出さざるを得ないのだろう。

ところが、有菜が向かった先は拘置所だった。

藤宮美子が付き添い、さらにコネを使って個別の面会室を手配してくれたのだ。そして、桜井浩明は有菜の姿を見るなり、ニヤリと笑いを漏らした。

「お前もなかなかしぶといな。なぜさっさと死なない?」

そんな言葉...

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