第17章

木崎征が出て行ったばかりのところに、藤宮弘也が入ってきた。テーブルの上の花を見て、藤宮は眉をわずかに寄せた。

「誰か来たのか?」

桜井有菜は不機嫌そうな顔をして言った。

「バカが一人来たわ。藤宮さん、この花を持って行ってくれない?邪魔なの!」

藤宮弘也はためらうことなく花束を手に取り、外のゴミ箱に直接捨てた。誰が来たのかについては、彼自身が調べるつもりだった。

しかし、桜井有菜が入院して三日後、秋山明里の両親が病院にやって来た。彼らは桜井有菜に秋山明里を許してもらうために来たのだった。

藤宮弘也は外の応接室で仕事をしていたが、秋山明里の両親は彼を見て非常に驚いた。

「藤宮さん、...

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