第186章

ニックは驚いたように藤宮弘也を見つめた。この男はただ大口を叩いているだけではないか、と疑ったのだ。

「藤宮さん、本気ですか? バイオ製薬会社ですよ。研究室から工場まで立ち上げるとなると、少なくとも千億単位の資金が必要になりますが……」

藤宮弘也は冷笑を浮かべ、ニックを見据えて言った。

「私がそこまで貧窮しているように見えるか?」

藤宮弘也に言い負かされて腹の虫が治まらないニックは、すぐさま桜井有菜のもとへ駆け込んで泣きついた。しかし、藤宮弘也が資金を出して製薬工場を設立しようとしていることを聞いた桜井有菜は、即座にその提案を拒絶した。

「誰かに養われるつもりはありません。あなたの方...

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