第20章

学校で、昼食の時間を利用して、越前美也は藤宮弘也に電話をかけた。

「おじさん、どうしよう、有菜ちゃんがいじめられてるの!見つからないの!」

彼女がいじめられている?藤宮弘也は眉をひそめた。会議室を出たばかりだったが、そのまま自分のオフィスへ足早に向かった。

「一体何があった?」

藤宮弘也の言葉が終わるや否や、越前美也はこの二日間に起きたことを話し始めた。

「おじさん、あの子たちひどすぎるの。わざと有菜ちゃんの悪口言って、今は先生まで有菜ちゃんに厳しくて、かわいそうだよ!」

越前美也は桜井有菜をかばって憤慨していた。藤宮弘也の表情も良くなかった。

あの子が退院してわずか数日で学校...

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