第30章

第二日、桜井有菜は連絡を受けた。大弁護士の山田光太が秋山明里の弁護を引き受け、そして彼は桜井有菜と一度会って法廷外での調停を行いたいと望んでいるとのことだった。

桜井有菜が鈴木陽警部から電話を受けた時、彼女はそれほど驚かなかった。

「桜井有菜さん、弁護士を探した方がいいかもしれませんよ!」

「鈴木警部、この山田弁護士はかなり有名なようですね」桜井有菜と鈴木陽には特別な関係はなかったが、彼がわざわざ電話で警告してくれたことで、彼女は恩を感じていた。

「山田光太は現在国内で最も優秀な弁護士だ。十数年のキャリアで一度も敗訴したことがない!」

鈴木陽の説明を聞いても、桜井有菜は慌てず、異常...

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