第41章

「会社の存亡がかかっているのだぞ」桜井おじいさんは沈黙した。

彼は桜井有菜の方を見て、手を伸ばし彼女の手を握った。

「株式は確かに大事だが、わしは人を見る目がある。有菜ちゃんは桜井家の重荷を背負えるだけの器だ。お前たちより何倍も優れておる!だからこの件に関してはわしは考えを変えん。有菜ちゃん、お前もダメじゃぞ!」

桜井有菜はおじいさんを見つめ、微笑んだ。

「おじいちゃん、すべておまかせします!」

桜井おじいさんは有菜が承諾したのを聞くと、たちまち顔をほころばせた。

おじいさんは高城弁護士の方を向いた。弁護士は株式譲渡書を持ってきて、桜井おじいさんと桜井有菜に署名するよう促した。

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