第43章

さもありなん、田中静佳のような親戚が桜井家の家宴に現れることができるなんて。東矢おじさんでさえ出席する資格がないというのに。これだけでも、その裏に何か深い意味があることは明らかだ。

「土倉さん、彼女を外へ出して、今後二度と桜井家に足を踏み入れさせないように。さもなければ、塩市の桜井家は今後一切、桜井グループからの支援を受けられなくなりますよ」桜井有菜は毅然とした態度で言い放った。

土倉執事は頷き、田中静佳を引っ張って外へ連れ出した。田中静佳は桜井浩明を見つめた。桜井浩明は眉をひそめ、何か言おうとしたが、桜井有菜に遮られた。

「あなたが私なら、何も言わないわ」桜井有菜の言葉に、桜井浩明は...

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