第50章

数人の保護者たちが言葉を失っている様子を見て、田中先生は生徒たちを全員教室から出し、保護者だけを残して会議を続けることにした。

教室を出ると、ちょうど1組の保護者たちが教室に入ってくるところで、桜井有菜と桜井優子は目が合ってしまった。

桜井優子は桜井有菜の姿を見て驚いた様子だった。彼女が桜井美月の家族代表として保護者会に来ていることに気づき、急に表情が曇った。

「有菜ちゃん……」

桜井有菜は桜井優子の言葉など聞きたくもなく、すぐに顔を背けて歩き出した。ちょうど越前美也も出てきたところで、彼女の後を追った。

「有菜ちゃん、待ってよ!」

桜井有菜と越前美也は学校の運動場へ向かった。こ...

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