第51章

桜井優子は思いも寄らなかった。桜井有菜が拒絶するなんて。彼女が過去の偏見を捨て、この娘を受け入れる覚悟をしたというのに、桜井有菜は望まないというのか?

「桜井有菜、後悔するなよ。桜井家の支援なしで、本当に桜井グループで足場を固められると思っているの?」

元々、桜井有菜が20%の株式を手に入れたことで桜井優子は怒り心頭だったが、今や彼女は桜井有菜がさらに自己中心的だと感じていた。

「いいわ、結構。本当に立派な娘を産んだものね!桜井有菜、この親不孝者!」桜井優子は怒り足早にその場を去り、桜井有菜はただそこに立ち尽くした。猛暑の中にいるにもかかわらず、全身が氷のように冷たく感じ、まるで氷の穴...

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