第53章

学校のことは、おじいさんすべてご存知になった。桜井有菜の成績があんなに素晴らしいと知り、以前の成績は彼女が目立ちたくなかっただけだとわかったようだ。

そんな子なのに、両親に認めてもらえないなんて、桜井おじいさんには理解できなかった。この両親は一体どうしたというのか、あまりにも偏り過ぎている!

桜井おじいさんが二階の寝室に戻ると、桜井浩明はようやく本性を現した。

「お前はどうしてこんな不届き者の娘を産んだんだ。兄の株を奪っただけでなく、今度は株主総会に出席するだなんて。このままじゃ、そのうち副会長の私まで彼女に取って代わられるぞ!」桜井浩明は激しい剣幕で言い放った。

桜井優子も頭を抱え...

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