第54章
部屋に入ると、桜井有菜の顔は真っ赤だった。実際、藤宮弘也を泊めることについて、彼女の心は葛藤していた。しかし、時間が確かに遅すぎたし、そもそもこの件は彼女のせいだったのだから、礼儀として当然のことだった。
そう考えて、桜井有菜は深く息を吸った。
「一度だけ彼を信じてみよう」
実際、睡眠時間はそれほど多くなかった。わずか三時間だけ。桜井有菜の体内時計は正確で、毎朝六時半には必ず目覚める。制服を着て部屋を出ると、藤宮弘也がキッチンから朝食を運んでくるところだった。彼は桜井有菜よりも早く起きていたのだ。
「藤宮さん、おはよう!」
藤宮弘也は口元を緩めて微笑み、桜井有菜に朝食を勧めた。今日...
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