第60章

桜井有菜は特に何もなかった。藤宮弘也がすでに誕生日プレゼントを渡したので、桜井有菜も自分のプレゼントを取り出したが、先を越された形になった。

「美也ちゃん、これは私が特別に用意した誕生日プレゼントよ。私が自らデザインしたジュエリーなの。気に入ってくれるといいな!」

土倉彩華は桜井有菜を差し置いて、越前美也に誕生日プレゼントを手渡した。

越前美也は中身が気になって開けてみると、様々な小さなダイヤモンドで作られたミニー型のペンダントだった。とてもカートゥーン調で可愛らしいものだったが、越前美也の好みではなかった。

「ありがとう」余計な言葉は越前美也も言いたくなかった。

ところが土倉彩華...

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