第7章

目的地に着くと、桜井有菜が車から降りるのを見て、藤宮弘也の眼差しはさらに深く沈んだ。

「藤宮さん、まさか本当に桜井さんに目をつけたんじゃないでしょうね?実は、女の子を追いかけるにはいろんな方法がありますよ。あなたのそんな態度では、若い女の子はどんどん遠ざかっていくだけですよ...」

秋田風が善意からアドバイスしたが、白い目で見られただけだった。

「発車しろ!」

車から降りると、桜井有菜の携帯電話が鳴り始めた。画面の名前を見て、彼女は即座に着信を拒否した。

今は気分が優れず、この人との通話に応じる気分ではなかった。しかし相手は諦めず、十数回も続けてかけてきて、まだ引き下がる気配がなか...

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