第9章

殴られた越前美也は呆然としており、頭がぐらぐらして目が回るような感覚だった。桜井有菜が頭を見ると、大きな腫れが出来ていた。

しかし手を出した女子たちは少しも怖がる様子もなく、むしろ挑発的に近づいてきた。

「あんた、喧嘩が強いって聞いたけど、バスケはどうなの?」桜井有菜は眉をひそめ、目には怒りの色が浮かんでいた。

「謝れ」

リーダー格の女子はバスケットボールを手に持ったまま、傲慢な表情で桜井有菜を見下すように見ていた。

「あいつが自分で見てないんだから、私に関係ないでしょ。当たったのも自業自得よ!」

女子がそう言い終わるや否や、桜井有菜の手が動いた。女子の手からバスケットボールを奪...

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