第113章:グレイス

最悪なほど体が痛んで目が覚めた。けれど、昨夜は信じられないほど素晴らしい夜だった。私は婚約したのだ。私の番(つがい)は、私を愛してくれている。休暇に連れ出し、デートに誘ってくれるほど、私を愛してくれている。私が成長する姿を見たいと願い、彼と共に成長してほしいと望んでくれるほどに……彼は私を愛しているのだ。そう思えば、この体の痛みさえも、それに見合うだけの価値があると思えた。

「おはよう」リースの寝起きの掠れた声が聞こえた。

私は彼の腕の中にしっかりと抱きすくめられ、その胸に押し付けられるようにして包まれていた。私たちは昨夜、人生で最高に素晴らしい時間を過ごした後、クッションの上でそのまま眠...

ログインして続きを読む