第123章:リース

これほどまでに罪悪感というものを抱いたことは、かつて一度もなかった。

これまでも、自分の行いに対して悪いと感じたことはある。暴走して傷つけてしまった家族に同情もした。人狼族の終わりのない戦争に巻き込まれ、人生を狂わされた人々に心を痛めたこともある。グレースを「レッドブラッド」の群れからもっ​​と早く救い出せなかったことや、兄弟たちとの成り行きについても後悔はあった。

だが、それらのどれひとつとして、これには及ばない。魂を蝕み、まるで殺されているかのようなこの感覚に比べれば、過去のすべては何でもなかった。いや、これは別次元だ。

ほぼ一週間が経つが、グレースは動こうとしなかった。正確には、トイレ...

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