第147章:恵み

仲間たちに遅れまいと、私は森の中を足をもつれさせながら進んだ。精神的に参っていた時期に、メイジーとのトレーニングを中断してしまったことを今さらながら後悔する。茂みをかき分けて進むうちに、私の息はすっかり上がっていた。

「ほら、行くぞ」

私の歩調に合わせながら、リースが声をかけてくる。屋敷を出た私たちは、リースの精鋭であるケイトが招集した六人の戦士たちと合流していた。草木の生い茂る獣道を進む私たちの周囲を、狼の姿に変身した六頭が護衛するように取り囲んでいる。

「頑張ってるわよ」私は息絶え絶えに答えた。

屋敷に残るべきだったのかもしれない。だが、魂の奥底で渦巻く不安が、行かなければならない...

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