第165章:グレイス

訓練場へと続く道をブラブラと歩きながら、私はリースの手に手を伸ばした。誰にも頼らず自立できるところまで来れたのは嬉しいことだけれど、時折彼が恋しくなるのも事実だ。この一週間はお互い別々の場所にいることが多かったから、今日は少し余分に一緒にいられる時間が持てて嬉しかった。

私は訓練場を見渡した。子供たちのほとんどは動きがぎこちなく、フォームもなっていない。自分が訓練を受けていた頃も、きっとあんな風だったのだろう。だが朗報もある。彼らは学んでおり、訓練を重ねれば重ねるほど、上達していくはずだ。

泣き叫び暴れるサミーを抱えるメイジーの姿が目に入るまで、私は自分がなぜここに来たのかをすっかり忘れて...

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