第177章:恵み

息を呑む音が重なり、全員の視線が私たちに突き刺さる。私はまだ、起きたことを理解しようと必死だった。もっと最悪な結末になっていたかもしれない。私たちは運が良かったのだ。生首と目が合うまではパニックにならなかったけれど、一度見てしまった以上、もう忘れられない。暴れる心臓を静めようと、私は必死だった。

「奴は兵士の派遣を要請していた。自分の群れがはぐれ狼に襲撃されていると言い、何をしているのか問いただすと、ここへ来た理由をそう答えた。本当にゴールデン・パックのアルファだったのか、それとも我々をおびき出すための偽物だったのかは分からん。調査が必要だ。名前は合っていたが、俺はゴールデン・パックには滅多...

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