第192章:恵み

胃が不快にきりきりと痛んだ。以前はこの散歩道がとても綺麗だと思っていたのに、今は憎らしい。全身全霊で憎んでいると言ってもいい。この道を歩くたびに、戦いたくもない、あるいは戦う必要さえないはずの争いへと向かっていることを思い知らされるからだ。

だが、やるしかない。これは選択の問題ではないのだ。リースの民が、そして私の民が、私たちが解決策を見つけ出すことを必要としている。もし失敗すれば、私たちは生き残れないだろう。誰も生き残れないかもしれないという恐怖があった。

リースが私の手をぎゅっと握りしめ、私は彼に小さな笑みを返した。私はパニックに陥ってなどいない。そうはさせない。賭かっているものが大き...

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