第197章:リース

「まあ、少しはね」メイジーはめくっていた雑誌から顔を上げ、口を挟んだ。「レッドブラッド・パックは彼女を崇拝していなかったわ。私たちは誰も崇拝なんてしなかったもの」

「いや、それは正確じゃないな」マイケルが割って入った。「以前は我々も『月の女神』を崇拝していたんだ。それが禁止されるまではね」

「それが原因だと思う?」メイジーは身を乗り出し、目を丸くしてアーロを見つめながら熱心に尋ねた。「宗教が禁止されたから、月の女神は私たちを見捨てたのかしら? だからパックの全てが悪くなったの?」

アーロは瞳にわずかな恐怖を宿して彼女を見た。俺にはその理由が分からなかった。彼女がレッドブラッド出身だからか...

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