第209話:メイジー

リースは目の前にある茶封筒を凝視していた。まるで幽霊でも見たかのような顔だ。彼は何も言わず、その沈黙が私を少し不安にさせた。その黒い瞳はパニックに近い状態で部屋を見回すと、封筒を乱暴に破り開けた。

一瞬、席を外して彼を一人にしてあげるべきか迷ったが、彼が喉を詰まらせるような音を立てたので、そうせずにはいられなかった。何が彼をそこまで動揺させたのか、確かめる必要があったのだ。

それは一枚の写真だったが、あまりに凄惨なものだった。見た瞬間、胃がひっくり返りそうになる。ブロンドの髪は血で固まり、もはやブロンドには見えなかった。彼女自身も、もはや彼女の顔をしていなかった。両目は腫れ上がり、シャツは...

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