チャプター 211: メイジー

「番(つがい)……」

私はソーヤーを見た。頭の中で警報がガンガンと鳴り響く。タイミングが悪すぎる。今はそんな番同士の甘ったるいお遊戯に付き合っている場合じゃない。そんな時間はないのだ。彼に理解できるだろうか? それで私を嫌いになるだろうか?

死体や拷問された子供たちの写真に囲まれながらも、私は彼が聞きたがっているその言葉をささやいた。「番(つがい)」

「メイズ? 大丈夫?」マイケルが尋ねた。その顔に浮かぶ心配の色を見て、私は自分を見失ってはいけないのだと思い出した。

視界の隅で、リースが腕の中のサミーを抱え直し、疲れたように鼻の付け根を揉むのが見えた。

「君の誕生日か?」リースが聞い...

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