チャプター 218: グレイス

私は、自分でも気づいていなかったほどの思慕と恐怖を込めて、番(つがい)である彼を見つめた。彼がここにいるのは、私が月の女神に懇願したからだ。彼と話す機会をくれと。来てはいけないと伝えるために。それが罠なのだと。だが、ここにいること自体にも危険は潜んでいた。月の女神は、あまり長居しないようにと私に警告していた。もしそうすれば悪いことが起きるというが、具体的にどうなるのかは彼女も知らないようだった。彼女はできる限り私たちを守ろうとしてくれると言っていたが、その言葉にはあまり期待できそうになかった。

リースもまた、私を見つめていた。その暗い瞳は、心配と明らかな恐怖を湛え、私のすべてを目に焼き付けよ...

ログインして続きを読む