第226章:レオン

囚人たちの私語が、俺たちの命取りになりかねなかった。少なくとも脱出のチャンスが巡ってきたことに、彼らが興奮しているのは分かる。だが、口を閉じてくれなければ、遠くへは逃げられないだろう。

「静かにしろ!」カレブが怒気を孕んだ声で囁いた。彼は廊下の突き当たり、普段なら二人の衛兵が立っている場所を睨みつけた。驚いたことに、そこには誰もいない。いつ出て行ったのかも見なかったが、彼らが戻ってくるのを待つ気はなかった。

「行き先はわかってるんだろうな?」俺はカレブに尋ねた。何千回も確認したことだが、もう一度確証が欲しかったのだ。

彼は神妙な面持ちで頷いた。ある囚人の話では、廊下の反対側に隠し扉がある...

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