第24章:リース

理性が警鐘を鳴らしているにもかかわらず、自分の体が前のめりになっていることに気づいた。彼女の大きな瞳が俺を見つめ返しており、そこには珍しく、俺と同じような欲望の色が宿っているように見えた。

『キスしろ』俺の中の狼が懇願する。

ダメだ。俺は首を横に振り、後ずさりした。彼女にそんなことはできない。彼女はまだ癒え始めたばかりなのだ。また台無しにするわけにはいかない。

「夕食のために着替えてくるといい」俺は彼女に告げたが、その声は欲望でひどくしゃがれていた。

彼女は頷くとクローゼットの方へと歩いていった。俺は椅子に座り込み、今起きたことを処理しようと努めた。これほどまでに親密さを渇望したことは...

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