第247話:グレイス

私たちはマーガレット女王の後に続き、白と黒の階段を下りていった。パーティー会場には多少の彩りがあったが、ここはいつもの吸血鬼らしい世界に戻っていた。階段は大理石でできていた。少なくとも最初の数階層は。深く下りるにつれて、階段の様子は変わっていった。もはや大理石ではなく、やがて木製になり、最後には単なる梯子になった。

マーガレット女王に躊躇いはなく、事情を知らなければ、私たちを死地へ導いているのだと疑ってしまっただろう。だが、マーガレットに悪意があるようには見えなかった。なぜそう確信できるのかは分からない。だが、確信があった。必要なら命を賭けてもいいと思えるほどに。もっとも、今のところその必要...

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