第267話:カレブ

俺はこの任務のすべてが嫌でたまらなかった。頭の中にあるのは、またしても自分たち全員が「レッド・ブラッド」パックの牢獄にぶち込まれるという結末だけだ。しかも今回は、奴らが俺たちを生かしておくはずがない。グレースに何を求めているにせよ、彼女をおびき寄せる餌として俺たちを使うことは二度とないだろうし、もしリースが助けに来てくれると思っているなら大間違いだ。ここからは自力で切り抜けるか、それとも死ぬか、その二つに一つしかない。

「彼女の反応は、まさにここだ」レオンがぶっきらぼうに言った。

彼が俺に対してまだ複雑な感情を抱いていることは分かっていたし、それを責める気もなかった。彼の言い分はもっともだ...

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