第272話:メイジー

計画は、想像していたよりもはるかにスムーズに進んだ。警備のシフトなどとうに忘れてしまっていたが、ベントレーが覚えていてくれたのが大きかった。ここに戻ってきた途端、記憶が鮮明に蘇るのには我ながら驚いた。かつて私を恐怖に陥れた廊下を歩きながら、私はかつてない力を感じていた。この場所を内側から解体していくという高揚感。かつて私が世話をした子供たちが、恐怖と希望が入り混じった目で私を見る様子。彼らは質問一つせず、私に従い安全な場所へと導かれていく。

ベントレーの働きは最高だった。昔はライバルだったが、彼は恨みなど持っていないようだった。念のため、私とソーヤーで交代で彼についていたが、今はソーヤーに任...

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