第280話メイジー

命綱であるかのようにクレアを固く抱きしめながら、私は地下の避難所へと足を踏み入れた。

「死んでないで。お願いだから死んでないで」

頭の中で、もはや言葉としての意味をなさないほど何度もその文句を繰り返した。私たちが知らないうちに避難所が全滅している可能性など低いことはわかっていた。屋敷に入るまでも、そして中に入ってからも何人もの護衛とすれ違ったのだから、彼らが無事でないと考えるほうが不自然だ。それでも、自分の目で確認するまでは――あの子たち一人ひとりの無事を見るまでは――どうでもいいことだった。

私は深呼吸をして、扉を開けた。グレースはまだ戦場に残り、手当たり次第に治療を続けているはずだ。...

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