第39章:恵み

目覚めはすっきりとしていて、心は安らかだった。オフィスのでの会話の後、アルファ王リースが部屋まで送ってくれたのだ。私が眠りにつくまで、彼は椅子に座って見守ってくれていた。いつ部屋を出て行ったのかは分からないけれど、部屋にはまだ彼の気配が色濃く残っている。私は目を閉じ、その空気を胸いっぱいに吸い込んだ。ここは安全だ。誰も私をベッドから引きずり出したりしない。眠っているからといって殴る人もいない。何をしてこんな扱いを受ける資格を得たのか自分でも分からないし、心のどこかではそんな資格なんてないとも思っている。けれど、許される限りはこの安らぎを享受しようと思った。

私は絡まった毛布から抜け出し、ゆっ...

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